ケージや止まり木、フードカップ、各種おもちゃを用意したら、いよいよヨウムをお迎えする準備も後半戦へと突入です。
では、家族の一員としてヨウムをお迎えするため、彼らがヒトと楽しく過ごす際に必要不可欠なその他の備品を一挙ご紹介したいと思います。
ヨウムがヒトと楽しく過ごすために必要な備品リスト
では、ヨウムをお迎えする際に最低限買い揃えておきたい備品リストをまとめてみましたのでご紹介します。
【ヨウムお迎えの際に必要な備品リスト】
□フルスペクトラムライト
□ケージカバー
□夜間ライト
□ケージのカギ
□ミネラルブロックとカトルボーン
□バーディカバブ
□ケージ底の敷き紙
□水浴び用の洗面器もしくは霧吹き
□プレイジム
□鳥用ハーネス
□シードキャッチャー
□ダニ除け
では、さっそくこれらの備品が必要になる理由をご説明しましょう。
フルスペクトラムライト
日照時間が短くなる冬の時期に欠かせない「フルスペクトラムライト」は、あまり日差しが差し込まない部屋にケージを置いている方にもオススメのアイテムです。
フルスペクトラムライトの役割は、ヨウムの健康維持に必要な自然光を発することができる照明であり、日照時間の短い時期や日当たりの悪い室内で彼らを育てている場合は、1日に9時間から10時間ほどフルスペクトラムライトの灯りを当てましょう。
ちなみに、フルスペクトラムライトは「トルーライト」や「スパイラルライト」などの名称で販売されていることもありますので、合わせて覚えておきましょう。
ケージカバー
ケージカバーは飼い主さんがちょっぴりお寝坊したいときに使用したり、隙間風を予防したいときに必要となる備品です。
ただし、乳幼児が昼寝をしているのに大きな声で鳴いているなど、やむを得ない場合は数分間だけケージカバーを使用することは認められています。しかし、日中に長時間ケージカバーを使用するのは基本的に御法度とされておりますので、覚えておきましょう。
なお、長年ケージカバーを使っていると、ほつれや穴が開いてしまいますので、ヨウムが怪我や事故を引き起こさないように、新しいものへと買い替えたり、こまめに修繕しましょう。
ヨウムの性格によっては、ケージカバーを嫌がる子もいます。ケージカバーを使用したことでストレスを感じているようならば、すぐに中止しましょう。
夜間ライト
夜、暗くなると急に怯えてしまう性格の子やヨウムたちの天敵となる猫や犬、齧歯(げっぱ)類などのペットを室内で飼育されている方は、豆電球などの照明を付けて安心させてあげましょう。
ライトを用意するだけで、夜間に急にお腹が減ったり喉が渇いたときにヨウムが休んでいる部屋を通っても、目を覚ましたヨウムが飼い主なのか、自分に危害を加える捕食動物なのかを区別することができるようになります。
ケージのカギ
ヨウムは脱走の達人です。
ケージの扉にカギを付けておくことで脱走を防ぐことが出来ますが、実際はあまり効力を発揮しません。
たとえ複雑なカギで合っても、飼い主さんが不在のあいだに解いてしまったという話をよく聞きます。
ヨウムの脱走を防ぐためには、南京錠などの堅牢なカギを用意し、こまめにカギを変更してヨウムの脱走を防ぎましょう。
ミネラルブロックとカトルボーン
ミネラルブロックとカトルボーンは、カルシウムが不足しがちなヨウムのために必要なものです。
また、この2つの食べ物はヨウムの不足しがちなカルシウムを補うだけではなく、かじって破壊するおもちゃという役割も担っておりますので、最低でも各1つずつはケージ内に入れておきましょう。
もし、ヨウムがミネラルブロックとカトルボーンを汚してしまったり、食べ切ってしまった場合は新しいものと交換してあげましょう。
バーディカバブ
バーディカバブとは、野菜やフルーツなど様々な種類を串刺しにすることができる金属製の棒です。
バーベキューに使用する串のようにも見えますが、ヨウムたちが傷付かないように串の先端部分にはキャップが付いています。
カバブに串刺しにされた食べ物を食べるためには創意工夫が必要となりますので、ヨウムたちは野生下の採食行動を疑似体験することが出来ますので、ストレスやエネルギーの発散に効果的です。
また、カバブに彼らの好きなものや真っ白なザラ紙を通すとおもちゃとして活用できますので、数本購入しておくとたいへん便利です。
ケージ底の敷き紙
ヨウムたちに自分たちのフンで遊ばせないために必要なものです。
このアイテムの使い方は、ケージの底にフンきり網を設置し、その下にケージ底の敷き紙を置くだけです。
敷き紙にトウモロコシの穂軸などを使用したリター(トイレの砂)を用いる方も大勢おられますが、湿気を含みやすいため、衛生面に問題が生じますので、誰のお家にもある新聞紙を用いるのがオススメです。
最低でも1日1回は敷き紙を交換するようにしましょう。
水浴び用の洗面器もしくは霧吹き
ヨウムは水浴びが大嫌いなコンパニオンバードとして有名ですが、なかには洗面器に水を張るとパタパタと飛んできて水浴びを楽しむ子もいます。
水浴びが好きな性格の子ならば、週に2回から3回ほど洗面器に水を張って水浴びをさせてあげると身体も清潔に保たれ、病気にかかりにくくなります。
しかし、水浴びをしない性格の子の場合、無理に水浴びをさせるのは好ましくありませんので、霧吹きをふきかけて身体を洗ってあげましょう。
プレイジム
プレイジムとは、ヨウムたちが運動代わりに利用するためのスタンドのことです。
ケージトップ用のプレイジムに梯子やおもちゃ、おやつの入ったカップなどを取り付けてケージ内に設置すると、夢中で遊ぶヨウムの姿を見ることができます。
プレイジム=楽しい場所という認識を持たせることで、自然とプレイジムに止まるようになり、しつけるのが簡単になります。
鳥用ハーネス
鳥用ハーネスは、比較的新しいアイテムです。
今まで鳥たちを屋外に連れ出すときには足鎖を使用していたのですが、足を骨折させてしまう飼い主さんも多かったため、このようなアイテムが誕生したそうです。
使い方は、猫や犬用のハーネスと同じく、ベルトを脇の下に通して身体にピタリと密着させるだけなので、信頼関係を築き上げた飼い主さんならば、簡単に装着することが出来るでしょう。
ただし、幼鳥の頃からハーネスに慣れさせておかないと、成鳥になったときに装着されることを嫌がりますので、成鳥のヨウムをお迎えした方は、鳥用ハーネスを購入するのは避けた方が良いでしょう。
ただし、ハーネスを付けたからと言って屋外に連れ出しても安全というわけではありません。
頻繁に屋外に連れ出すという方は、風切り羽をカットして、鳥から片時も目を離さないようにしましょう。
なお、動物病院へ行く以外は屋外に連れ出さないという方は、猫や犬が使用する頑丈なキャリーケースを購入し、自作の止まり木をキャリーケースに入れて、常日頃からキャリーケースに入る癖を付けさせておきましょう。
病気になってしまった場合は、キャリーケース内から止まり木を取り出し、クシャクシャにした新聞紙をたくさん敷き詰め、横にさせてあげましょう。
シードキャッチャー
散らかすのが大好きなヨウムは、粒餌をすぐに散乱させてしまいます。
ですので、粒餌の飛び散りを防ぐために「シードキャッチャー」を購入しておきましょう。
様々な種類のシードキャッチャーがありますが、安価なプラスチック製のものはヨウムに破壊されてしまいますので、それ以外の素材のものを使用して作られたものを購入しましょう。
ダニ除け
ヨウムにダニ除けが必要なのかと聞かれると、正直全く必要ではありません。
ダニ除けに使用されている化学成分が彼らの生命を危険にさらす恐れもありますし、ダニ除けを使うくらいならば、定期的に動物病院で健康診断を受けた方が安心です。
猫や犬とは異なり、ヨウムにはダニが付きませんし、将来ダニと接触するという機会もほぼありません。
今回はヨウムたちがヒトと楽しく過ごす際に必要不可欠なその他の備品をご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
ご紹介したその他の備品は、最低でも用意しておきたいアイテムであり、他にも必要なものはたくさんあります。
例えば、ヨウムはキバタンやハクタイオウムと同じく、身体をブルルと震わせると、ふわふわと白い粉が舞いあがります。これは脂粉と言い、「粉羽(こなう)」や「粉綿羽(こなめんう)」とも呼ばれています。
脂粉には、羽毛の防水や汚れ防止といった目的があると考えられておりますが、毎日のように出ますので、こまめに掃除をしないと飼い主さんやそのご家族の方がアレルギーを発症したり、肺を患うなどの病を引き起こす可能性があります。
ヨウムをお迎えするならば、こうした細やかな部分にも目を配り、ほうきやちりとり、ハンディクリーナーなどのお掃除用品や空気清浄機、アクリル・バードケージなどを事前に購入しておきましょう。