ヨウムの日光浴ライトの選び方|ヨウムの飼い方

ヨウムをはじめ、地球上に存在するほぼ全ての鳥類は「日の出と共に起き、日没と共に眠る」のが自然の姿となっています。

そのため、飼い主さんたちは彼らが自然な姿で生活できるよう、同じような環境を作り出してあげなければなりません。しかし、都市型生活ではこのような環境を作り出すことはとても難しいことですので、遮光カーテンや夜間ライトなどを購入し、ヨウムたちにかかるストレスを軽減させてあげることが重要となります。

ですが、ヨウムは西アフリカ原産の鳥類ですので、日照時間が日本と大きく異なります。

例えば、熱帯地域原産のコンパニオンバードの場合、日本の冬は太陽が出ている時間が非常に短いため、どうしても摂食時間が短くなってしまいます。

こうなってしまうと、鳥たちの健康に悪影響が出てしまうため、原産国の日照時間を調べ、彼らが天命を全うするまで、この時間を維持してあげる必要があります。

また、日照時間を原産国と同じにするだけではいけません。

ヨウムも人間と同じように、身体を日光にさらすことで、健康増進を図ることができますので、日照時間だけではなく、日光浴を行うことも必要です。

そこで、今回はヨウムの健康維持には欠かせない日光浴の重要性と日照時間が短いときに必要となるライトの選び方をご紹介します。

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ヨウムと日光浴

ヨウムは他の鳥類よりも骨密度が高いため、血中のカルシウム濃度が低くなると、低カルシウム血症を発症し、発作や骨折を引き起こす危険性があります。

そのため、カルシウムの吸収を促進させるため「ビタミンD3」が必要となります。

ビタミンD3は日光浴を行うことで生合成されますので、ヨウムにとって太陽の光がどれだけ重要な意味を持っているのかが分かります。

また、日光浴にはビタミンD3の合成のほかにも、ストレス解消という精神面のケアにも深く関わっており、1週間に2回、1時間ほど日光浴を行うことでヨウムたちの健康維持とストレス発散を行うことができますので、これからヨウムをお迎えする予定の飼い主さんは、必ず1週間に2回、1時間の日光浴タイムを設けてあげましょう。

しかし、気温30℃を越す夏の時期に1時間の日光浴を行ってしまうと、ヨウムたちは熱射病で倒れてしまいますので、強烈な日差しが降り注ぐ夏の時期は、日光浴の時間を半分の30分とし、ケージの一部分に屋根を作り、彼らを直射日光から守ってあげましょう。

なかには、ヨウムの天敵である猫や猛禽類などが襲い掛かってくることを懸念し、窓越しに日光浴を行っている飼い主さんもいらっしゃいますが、ガラス窓越しの日光浴では、ビタミンD3の合成に必要な紫外線がほぼ完全に遮断されてしまいます。

ヨウムが外敵に襲われる危険性を少しでも軽減するため、彼らの日光浴中はケージの傍でじっと目を見張り、猫や猛禽類が近寄ってくるのを防いであげましょう。

また、日本の冬は日照時間が非常に短く、気温も15℃を下回ることが多くなりますので、温かい地域に住むヨウムたちにとっては最悪の環境と言えます。

そんな冬場に屋外で日光浴をさせてしまうと、ヨウムたちが病気になってしまう恐れがありますので、冬場の日光浴は太陽光と同じスペクトルを持つ特殊なライトを使って行うようにしましょう。

太陽と同じスペクトルを持つライトの選び方

太陽と同じスペクトルを持つライトの選び方ですが、太陽光の色温度とされている「5500K (ケルビン)」と表記されているものを購入しましょう。

現在販売されている5500Kの特殊ライトのなかで、最も入手しやすいものが米国デュロテスト社製の「True-Light(トゥルー・ライト)」です。アメリカでは「Vita-Light」という名称で販売されており、複雑にねじれたかたちの蛍光管です。

ワット数は15W~110Wまで幅広く用意されており、お値段は15Wで4,800円前後とやや高めです。

最近ではトゥルー・ライトをクネクネと曲げて電球のソケットに付けることができる「スパイラルライト」も販売されており、20Wで100Wの明るさが得られるため、今では照明器具として人気を集めています。

スパイラルラケットもトゥルー・ライトと同様の効果が得られますので、使い勝手の良い方を購入されることをオススメします。

トゥルー・ライトの照明効果はおよそ3年とありますが、UVB放射効果は半年から1年ほどで切れてしまいますので、UVB効果の無くなったライトは照明器具として活用し、新しく購入したライトをヨウムたちの日光浴として使用しましょう。

ほかにもデュロテスト社では、スパイラルライトと同じ電球タイプの「Planet Lite」を販売しており、こちらは60Wで2,400円前後となっています。冬場の温源としても活用できますので、こちらのタイプを購入される飼い主さんも大勢いらっしゃいます。

なお、植物育成用ランプや爬虫類用ライトなど様々な種類のライトが販売されておりますので、購入される際は、商品名をしっかり確認してから購入しましょう。

今回はヨウムの健康維持には欠かせない日光浴の重要性と日照時間が短いときに必要となるライトの選び方についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

冬場の日光浴として頻繁に活用されているトゥルー・ライトやスパイラルライトなどの人工太陽光源ですが、対照実験によって、さほど効果が期待できないという結果が報告されています。

しかし、太陽光とほぼ同じスペクトルを持つライトですので、D3有効紫外線は少なくても、存在する全てのライトの中で最も自然に近い光を放つことができるライトですので、過被曝による害は低いと言えます。

ヨウムの健康維持に欠かせない日光浴をどのように行えば良いのかを詳しく知りたいという方は、鳥類専門の獣医師や愛玩動物飼養管理士(通称:ペットケアアドバイザー)の資格を取得されている方に相談されると良いでしょう。

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