桃色のキュートな身体にフカフカの冠羽が可愛過ぎる、甘えん坊なモモイロインコについてご紹介します。
〇分類:オウム科モモイロインコ属
〇体長:35cmから38cmほど
〇体重:300~330g前後(体格により適正体重は増減します)
〇価格:冠羽などによって異なるが、平均48万円前後
〇寿命:40年ほど
野生での生活
モモイロインコは世界最小の大陸であるオーストラリアの内陸部ほぼ全域に生息している固有種です。主に木がまばらな林の疎林や海岸地帯、都市部やその近郊にある自然豊かな公園、農地など多種多様な環境に適応しているため、オーストラリアに訪れるとモモイロインコの姿をよく見かけます。
特に以前森林であった土地がヨーロッパ地方からやってきた人々によって農地や敷地へと開拓されてからというもの、徐々にモモイロインコの個体数が増加し、一気に生息地域が拡大したのです。その後、増えすぎた個体はオーストラリアの南東部に在るタスマニアに移し入れられたそうです。
モモイロインコは頭部から腹部にかけて可愛らしい桃色をしており、背面や翼の表面はグレー、尾映えは翼よりも薄めのグレーとなっています。
頭頂部にはオウム科特有の立派な冠羽があり、鮮やかなライトピンクとなっています。
雌雄の区別が付きにくいですが、オスは虹彩がブラウン、メスはレッドと目をよく見ることで区別されています。アイリングは基亜種ならばグレー、他の2亜種はピンクとなっています。
モモイロインコは主に植物の種子やフルーツなどを摂取しており、採食の際は地表に集まって行います。そのため、オーストラリアの農家の方々からは害鳥として忌み嫌われています。1度ペアを組むと生涯離縁することなく添い遂げる鴛鴦夫婦となります。
番となったモモイロインコは群れの中でもその関係は継続され、常に行動を共にしています。
繁殖期通年を通して続いており、巣は水辺に程近い樹洞に作ることが多いと言われています。モモイロインコは抱卵を雌雄交代で行い、25日前後で孵化し、なんと2か月ほどで成鳥となります。
モモイロインコの性格と特徴
モモイロインコは現地の方々からは害鳥として嫌われていますが、コンパニオンバードとしては非常に優秀な鳥類として世界中から人気を集めています。
モモイロインコは、ヒトによく懐き、好奇心旺盛で活発な鳥類です。言葉も簡単なものならば覚えることが出来るので、愛情をたっぷり注ぎながらモモイロインコのペースに合わせてゆっくり言葉を教えてあげると可愛らしい声で答えてくれます。
しかし、モモイロインコはヒトが大好きなので、初対面であろうがなかろうが必要以上にスキンシップを取ろうと近寄ってきます。このあたりは少々ウザったく感じてしまうこともあります。
また、モモイロインコは他のオウム科と比べ嘴の力が弱いと言われていますが、遊びが徐々にエスカレートしてくると強く噛みつく場合がございますので、ご注意ください。
モモイロインコは環境適応能力が高いので、日本でも飼養しやすいと言われています。しかし、モモイロインコはオーストラリアの乾燥した地域で生活しているため、栄養を体内に蓄えることが出来ます。しかし、ヒトに飼われたモモイロインコは恵まれた環境で餌をたっぷり食べることが出来るので肥満になりやすい傾向にあります。モモイロインコの肥満の原因は運動不足による場合が多いので、飼養者はモモイロインコが十分に遊べる環境を作り、出来る限り低カロリーの食事を摂取させるように心掛けましょう。
モモイロインコはその見た目の愛らしさと朝夕の雄叫びをしないことから女性を中心に人気の高いコンパニオンバードですが、オウム科に属しているため声の声量が非常に大きいです。さらに、個体によっては1日中大きな声で鳴く場合もございます。モモイロインコをマンションやアパートなので飼養することも可能ですが、集合住宅にお住いの方は防音対策をしっかり行い、近隣の住民の方々のご迷惑にならないように対策を取りましょう。
モモイロインコは脂粉が大量に出ますので、定期的に水浴びをさせて常に清潔に保つように配慮する必要があります。
可愛い容姿とは裏腹に意外と飼養が難しく、大きな声で鳴くので、物静かなコンパニオンバードを購入したいという方にはオススメ出来ません。また、鳥籠から出す際はモモイロインコがかじってしまうであろう家電製品の電源コードや毒性のある植物を部屋に配置しないようにする必要があります。
ただ可愛いからという理由で飼養できるほど簡単な鳥ではありませんので、覚えておきましょう。