ヨウムとコイネズミヨウムの違い|ヨウムの飼い方

ここ数年、日本国内では空前のインコブームとなっており、セキセイインコやオカメインコ、コザクラインコといった小型・中型の飼い鳥たちをお迎えする方々も増えてきました。

また、アパートなどの集合住宅に住んでおり、ペットを飼うことが出来ないという方は、世界中の鳥たちと触れ合える掛川花鳥園や館山野鳥の森、多摩動物公園といった施設へ赴き、鳥たちと優雅なひとときを過ごすという方もおられます。

なかでもアフリカ大陸の森林地帯に生息しているインコ科ヨウム属に属する「ヨウム」は、世界各国の絵画や文学作品に登場するほど美しく、たいへん知能の高い大型インコとして古くからヨーロッパ地方で飼養されてきました。

さて、そんなヨウムですが、英名でAfrican grey Parrot (学名:Pstittacus erithacus erithacus)という名を持つ「ヨウム(洋鵡)」と英名でTimneh African Grey Parrot (学名:Psittacus erithacus timneh)という名を持つ「コイネズミヨウム(濃鼠洋鵡)」の2種が、現在亜種として正式に認められています。

そこで、今回はヨウムとコイネズミヨウム、2種の違いについてご説明しましょう。

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ヨウムとは?

ヨウムとは、コートジボワール南部・ケニア・タンザニアを中心に生息している体長およそ33cmの大型のインコです。
より大型の個体は「カメルーンインコ」と呼ばれており、ヨウムがカメルーンに密輸され、輸出書類の原産国の欄に「カメルーン」と記載されたため、このような名前が付いたとされています。

カメルーンヨウムという名前を聞くと特別な印象を受ける方もおられるかと思いますが、実際は身体が大きく、羽が淡いグレーというだけの単なるヨウムです。通常個体となんら変わりませんので、覚えておきましょう。

ヨウムは、鎧のようなグレーの身体に鼻から目にかけて白色、鮮やかな真紅の尾羽を持つたいへん美しい鳥です。
性格も温厚で、人懐っこく、知能が高いため、おしゃべりを楽しむことができます。

大型インコのなかで最も人気の高いヨウムは、寿命がおよそ50年と非常に長く、気軽に飼養できるコンパニオンバードではありませんが、一生寄り添えるパートナーとしてお迎えする方も大勢いらっしゃいます。

ただし、個体によっておしゃべりが苦手なものもおり、生涯おしゃべりすることが出来ない場合もありますが、知性が高く、愛情深い性格ですので、たとえしゃべらなくても飼い主であるあなたの気持ちを理解し、そっと寄り添ってくれます。また、なかには数年経過した頃からおしゃべりを始めたという個体もおりますので、飼い主の愛情次第なのではないかと言われています。

コイネズミヨウムとは?

コイネズミヨウムとは、ヨウムよりも体格が一回り小さく、ヨウムよりも濃い灰色の羽根で身体が覆われており、尾羽は海老茶色や濃い灰色、黒など様々です。上くちばしは淡いピンク色をしており、他の亜種と見分けやすいと言われています。

コイネズミヨウムの生息地は、ヨウムよりも狭く、コートジボワール西端とギニア南部にかけてとなっています。

コイネズミヨウムは、基亜種のヨウムと比べると、打ち解けやすい性格をしていますので、ヨウムよりも飼養しやすいと言われておりますが、ヒトへの慣れやすさは個体によって異なりますので、「コイネズミヨウム=打ち解けやすい」という先入観は捨て去りましょう。
ヨウムもコイネズミヨウムも高温多湿を好み、低温環境を嫌います。そのため、日本の住環境に最も適したコンパニオンバードだと愛鳥家の方々は言います。

ただし、自ら羽を抜いたりかじったりする毛引きを始めることが多く、ビタミンD3やビタミンA、カルシウム不足に陥りやすいため、ヨウムやコイネズミヨウムをお迎えする際は、彼らに関する知識をしっかり身に付けてからにしましょう。

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