鳥類の骨格と筋肉|インコの飼い方

鳥類の身体の特徴として羽毛をご説明させて頂きました。羽毛は体温を低下させないようにする働きと飛行を安定させるために存在しますが、羽毛だけでは空を自由に飛び回ることは出来ません。
そこで、今回は鳥類が空を飛ぶために必要不可欠な骨格や筋肉について解説したいと思います。

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鳥類飼育の前に知っておきたい身体の仕組み

骨格
鳥類は安定な飛行を可能にするために身体の軽量化や非常に高い強度を進化の過程で手に入れました。

鳥類の身体の構造を分かりやすくご説明しますと、コンパニオンバードも猛禽類など全ての鳥類の大半の骨は内部が空洞になっているため、とても軽くなっています。しかし、骨の内部がスカスカでは飛行に耐えることが出来ません。そのため、鳥類の骨の内部には細い骨の柱を無数に設置し、骨の強度を保っているのです。さらに、骨を強化するため、鎖骨や手、足など至る部分で骨の融合が起こっています。

さらに、鳥類は脊柱を構成する椎骨の多くが融合して強化されているため、しなやかさと柔らかさを失い、自身で自由に動かせる部位は首部分にある頸椎のみとなっています。
そのため哺乳類のように自由に身体を動かすことが一切出来ず、体幹は常に固定されています。

現在の鳥類は鳥類最古の祖先と言われる化石動物・始祖鳥と比べ、指骨や尾椎が少なく、きめ細やかで重い琺瑯質の歯も存在しません。また、一時的に尿を溜めておく器官・膀胱の消失や食物残滓からの水分吸収及び糞便の形成などを行う器官・大腸が短くなっているなど体内に不要な排泄物を溜めこまないような構造となっています。

飛行を可能にする骨格と筋肉
骨の強化と身体の軽量化を進化の過程で手に入れた鳥類ですが、さらに飛行に適した身体を手に入れるため、飛行に関連する部位は大きく進化しています。
飛行を行う際に使用する前肢と呼ばれる翼部分は骨が長くなっており、羽搏くための筋肉が付着している胸骨も非常に大きくなっています。
鳥類が両翼を広げて力強く搏つための筋肉には「大胸筋」と「小胸筋」の2種類あり、この2種類が著しく発達しているため鳥類たちはいつでも胸を張っているように見えるのです。

大胸筋と小胸筋は胸骨及び竜骨突起に付着しており、骨側には小胸筋が付着しており、その上から大胸筋が覆っているようなかたちで2つの筋肉が付着しています。

大胸筋は、羽を打ち下ろすために使用される筋肉のため、上腕骨の下方に付着点があります。
小胸筋は、脊椎動物の上肢帯を形成する骨の1種である烏口骨と上肢骨を躯幹に束ねる肩胛骨と胸部上方の体表付近に存在する水平にある棒状の鎖骨の3つで囲まれた三骨孔を通り、上腕骨の上方に付着しています。そのため小胸筋は滑車の原理で翼を引き上げています。そのため、鳥類は飛行する際、この2種類の筋肉を交互に収縮させて引き起こる激しい動きから、心臓や肺といった生命維持に重要な内臓器官を保護するため、胸部には烏口骨と肋骨の2つの骨によって胸骨が脊椎と結び合わさり、堅くて丈夫な鳥籠のような内部構造となっています。

鳥類独特の器官「気嚢」
鳥類特有の飛行能力を可能にするためには、体内の熱を逃がさないようにする羽毛や安定した飛行を可能にするための骨格と筋肉の他にもう1つ必要な器官があります。
それが「気嚢」です。

鳥類は両翼を大きく広げて搏つ際、大量の熱が生じます。しかし、鳥類には哺乳類に存在する汗を分泌する汗腺がありません。そのため、鳥類には飛行によって体内に溜まった熱を放出させる専用の気嚢と呼ばれる器官が在ります。

気嚢とは、羽毛と同様に鳥類に属する種ならば必ず備わっている器官の1つです。気嚢は肺の前と後ろに備わっており、空気を入れるための袋のようなかたちをしています。
気嚢の一部分は近辺の骨の内部にまで広がっており、別名「肺のサポート器官」と呼ばれています。また、呼吸をサポートするだけではなく、飛行中の羽搏きによって体内に溜まった大量の熱を体外に吐き出す空気と共に身体の外へ排出させる役割も担っています。

鳥類の身体の特徴の2つめ骨格と筋肉についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
鳥類の祖先と言われる始祖鳥から大きな進化を遂げた現代の鳥類たちは空を自由に飛び回るために最適な骨格と筋肉を手に入れたのです。鳥類の身体の仕組みが分かると鳥たちの意外な素顔を垣間見ることが出来るので、是非彼らの身体の構造をしっかり理解してから購入するようにしましょう。

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