鳥類の羽毛について|インコの飼い方

鳥類の身体的な特徴は、羽毛・独特の骨格・嘴・後肢・五感が挙げられます。
今回はこれら5つのうちの1つ「羽毛」について分かりやすく解説したいと思います。

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羽毛の役割とそれぞれの名称

羽毛
羽毛には空気の層を作り、断熱効果があることを先ほどご紹介しましたが、他にも様々な働きがあります。
羽毛には、うわべから見ると板状に見える正羽と綿毛状の綿羽の2種類に分けられます。

正羽とは、羽軸を中心に多数の羽枝が生えています。さらにこの羽枝には鉤爪のような形状をした微細な小羽枝が生えており、羽枝は鉤爪のような小羽枝が連結することで羽弁を造り上げています。そのため、正羽は板状に見えるのです。

正羽が何故板状の構造になっているかと言いますと、身体の表面に構成されている空気の層を外側から覆い隠すためにこのような形状となっています。

綿羽とは、正羽とは違い羽軸がありません。その代わり羽枝が羽毛の付け根から綿のように柔らかい毛が広がっています。これによって正羽と皮膚の間に空気の層を作るための空間を作り出すことが出来るのです。

鳥類の美しい容姿はほとんどが正羽で構成されており、布団のカバーのような役割を果たしています。

羽毛には、正羽と綿羽以外に「半綿羽」と呼ばれる中間的な役割を持つものや羽軸の先端にのみ羽枝を持ち、風の動きを繊細に感じ取ることの出来る「糸状羽」、飛翔性を持つ昆虫を摂取する鳥類によく見られる捕虫網の役割を持つ「口髭」、粉状に崩れて羽毛に防水効果を付加させる「粉綿羽」の合計6種存在します。

また、インコ類やキジ類などの鳥類には、正羽の裏に1枚生えている半綿羽に似た羽毛「後羽」があります。この後羽によって正羽の断熱効果が向上するのではないかと考えられています。

飛行に必要な羽毛
鳥類には、空を飛んだり、水中に潜ったり、敵と戦ったり、求愛するために羽を使用します。特に求愛の際に奏でる美しい羽音はヒトの心を魅了すると言われています。
翼の外観を構成している羽は、全て正羽で出来ており、位置によって正羽の名称が異なります。

風切羽
飛行力を得るために必要な羽毛。前進する推進力を生み出す初列風切羽と身体を浮かせる揚力を生み出す次列風切羽、そして胴体と翼の間を埋め、翼を閉じた際に2つの風切羽を保護する働きを持つ三列風切羽の3種類が存在します。

雨覆
風切羽の付け根部分または腕の表面を覆い、滑らかにすることで飛行中の空気の抵抗を最小限に抑え、さらに揚力を発生させるために翼にカマボコのような形状をした断面構造を作り出す役割を持ちます。

小翼羽
腕掌骨にある突起した骨の第1指に付着している羽毛。3枚から4枚の羽が集まって小さな翼を作り出しています。飛行速度が何らかの影響によって低下した場合、第1指を持ち上げ、翼との間に隙間を作ります。こうすることで、翼の表面に出来た空気の渦を吹き飛ばし、低下した飛行速度を向上させることが可能です。

尾羽
方向転換の際に必要となる羽毛。

上尾筒
尾羽の付け根を覆っている羽毛。空気抵抗を抑制させる働きがあります。

下尾筒
冠羽を下から支えるためにある羽。種類によっては際立って目立つ色をしている場合があります。

鳥類にとって羽毛は、生きてゆく上でとても重要なものであることがご理解頂けたでしょうか。実は羽毛は季節毎に入れ替わるものがあり、その羽毛を換羽と呼びます。
また、中には夏と冬で羽の色彩が変化する種も存在するそうですので、探してみてはいかがでしょうか。

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