インコやオウムをお迎えする際、彼らが気持ち良く生活する居住空間を用意する必要があります。そのためには、インコやオウムの生息地の気温や湿度、日照時間、そして野生でどのような生活を送っているのかを調べておく必要があります。
また、これからお迎えするインコやオウムですが、ヒナの状態から飼養するのか、幼鳥または成長から飼養するのかで彼らの居住スペースである室温や湿度管理、そして日当たりなどが変わってきます。
では、インコやオウムたちの居住環境の整え方をご紹介したいと思います。
室温、温度管理は神経質なくらいがちょうどいい
室温管理
インコやオウムの居住環境を整えるためには、まず室温管理から始めると良いでしょう。
ですが、室温をどのくらいに保てば良いのか分からないという方は、彼らの生息地を思い出してみてください。
セキセイインコやキンカチョウ、モモイロインコが生息しているのはオーストラリアです。オーストラリアは平均気温が21.0度のため、室温は21.0前後に保てば良いのです。
ですが、飼鳥の種類や年齢、飼育数、飼養目的によって温度が異なるため、注意が必要です。
例えば、ヒナから飼養を始める場合、必ず室温を26度から28度を維持する必要があり、成鳥の場合は室温が15度以下にならないよう配慮する必要があります。
インコやオウムを飼育するうえで重要なのは、1日の温度変化が10度以上ある室内で飼養してはいけないということです。しかし、常に同じ温度を保つのは難しいので、1日の温度変化は最低でも3度から9度までに抑えるようにしましょう。
特にインコ類や金糸雀などねぐらを持たない鳥類の室温管理は十分にご注意ください。
湿度管理
成鳥のインコやオウムを飼養する際、彼らが野生下でどのような環境で生活しているのかを基準に湿度管理を行うことが必要となります。
例えば、セキセイインコなど乾燥した地域で生息する種ですので、カラっとした低湿度の環境を用意する必要があり、反対にサザナミインコなど霧が発生する地域で生活している種を飼養する際はジメジメした高湿度の環境を好みます。
そのため、同じインコ科やオウム科でも生息地域によって湿度が異なるので、原生息地の詳細な気温や湿度などを詳しく調べるために「理科年表」などを用いて、インコやオウムの居住環境を整えましょう。
ヒナから飼育している場合、羽毛が完全ではないため、乾燥した環境を嫌います。ですので、湿度を高めに保つ必要があります。では、どのように湿度を高く保てばよいのでしょうか?
その方法は、ヒナが入っているプラスチックケースをガラス製のケースへ入れ、二重ケースを作ります。そして、プラスチックケースの外側に水が入ったコップを配置して完成です。室温・湿度を下げないよう、こまめにチェックしてヒナが成長しやすい環境を保つように心掛けましょう。
日当たりの管理
屋外で生活しているインコやオウムたちは、毎日適度に日光浴をする必要があります。
なぜ、日光浴を行わなければならないのかと言いますと、飼鳥たちは太陽の光を浴びることで、精神的な気分転換やストレス解消、そして体内でビタミンD3が合成され、カルシウムを生成することが出来るからです。
ですが、ここで1点注意があります。インコやオウムに日光浴をさせる際、必ず屋外に出して行うようにしてください。なぜかというと、ガラス越しではストレス発散やカルシウムの生成を行うことが出来ないからです。また、直接日光を当ててしまうと強過ぎるため、インコやオウムが入っているケージの一部分に日陰を作り、彼らが日光浴をしやすい環境を整えてあげましょう。
屋外には、飼鳥たちの天敵である野良猫や蛇、烏など危険がいっぱい存在しますので、必ず飼鳥やケージが視界に入る位置にいる、なにかあればすぐに対処できる距離にいるなど飼い主のすぐそばで行うようにしてください。
インコやオウムを飼育することはとても容易いことではありません。
そのため、初めて鳥を飼う方は、彼らをお迎えするまでにどのくらいの費用が掛かるのか、彼らの生活しやすい居住環境を提供することが出来るのかなど事前に確認しておくことが重要です。決して安易な考えで飼育するようなことはしないでください。