オカメインコ~野生での暮らしと生活環境~
今ではセキセイインコと並ぶ人気者「オカメインコ」ですが、日本へやってきた当時はその地味な容姿から全く人気がなく、当時はセキセイインコの10倍の価格で販売されていたそうです。その後、ルチノーやシナモンなど色変わりが誕生したことで徐々に注目を集めるようになり、今ではすっかり人気者となりました。
そんなオカメインコですが、彼らが普段どのような環境で生活しているのか気になりませんか?
そこで、今回はオカメインコがどのように野生で暮らしているのか、その生活環境をご紹介したいと思います。
野生のオカメインコの生活地域と環境
野生のオカメインコたちは、オーストラリア内陸部の乾燥した地域に生息しています。
そのため、シドニーやメルボルンなどの沿岸地域には通常存在しません。しかし、6月から9月頃の乾燥する冬の時期が近付いてくると南部に生息している野生のオカメインコたちは群れを成し、水を求めて沿岸部にあるシドニーなどの大都会にやってくることもあります。
オカメインコはとても速く飛ぶことができ、さらに家屋やビルなどの建物に住処を作るなど野生のオカメインコたちは都会での生活を満喫しています。まるで春になるとやってくるツバメのようですね。
オーストラリアの北部はサバンナ気候のため雨季と乾季がはっきり分かれています。しかし、オカメインコたちが生息している内陸部は砂漠・ステップ気候のため、雨季と乾季の期間が短く、はっきりとしないため、年間の降水量は通年を通して少なくなっています。
また、湿度も30度から40度前後と一年間低い状態となっており、風は強く、日中の気温は35度以上ととても高くなります。
さらに、夜になると風は穏やかになるのですが、放射冷却が活発に行われるため、6月から9月の冬の時期は早朝の気温が5度まで下がることがあります。野性のオカメインコたちはこのようなとても厳しい環境化で生活しているのです。
野生のオカメインコの生活環境
野生のオカメインコたちは、オーストラリア東海岸からグレートディバイディング山脈を西へ越えたウッドランド地帯を中心に生活しています。
その理由は、この地域にはユーカリやアカシアの樹が草原に点在しているからです。
特にオカメインコたちは明るくて見通しが良く湖や川などの水辺近くにある林を好み、群れを成して生活しています。
彼らの鳥屋は生活の拠点となる林周辺にある巨大な枯れた樹木です。なかでもユーカリの樹はオカメインコたちのお気に入りなのだそうです。
なぜ、オカメインコたちは地味な容姿をしているかご存知ですか?
野生のオカメインコの羽色が地味なノーマルグレーの理由は、このような厳しい自然環境の中では地味な羽色ほど自分自身を守る保護色となるからです。
また、オカメインコたちは内陸の砂漠地帯やユーカリの低木が自生しているマリーと呼ばれる林にも住んでいます。これらの地域は降水量が極めて少なく、太陽の強い日差しによって大地がカラカラに乾燥しており、このような地域に住む野生のオカメインコたちはユーカリやアカシアの樹を求めて、オーストラリアの内陸部をさすらう「漂鳥生活」を送っています。
漂鳥生活を送るオカメインコたちは8月から12月の春から夏にかけて雨が降り、花の咲いたユーカリ林を見つけると短期間で繁殖を行うそうです。
今回は野生のオカメインコたちがどのような地域や環境で生活しているのかをご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
これからオカメインコをお迎えしようとお考えの方は、オカメインコがどのような環境で生活を送っているのかを知ることで、彼らが好む環境を事前に準備することができ、さらに平均寿命よりも長生きさせることができます。
オカメインコたちが気持ち良く生活することができるよう、飼い主さんたちはかれらの生態をしっかり学び、お迎えしましょう。