オカメインコの歴史|オカメインコの飼い方

オカメインコが飼育されるようになった歴史

現在日本では、イヌやネコだけではなく、ハリネズミやウサギなどの小型動物をお迎えする方々も年々増えており、今では15歳以下の子どもの人口よりイヌやネコなどのペット人口が上回っていることが明らかになり、今では「ペット大国」と言われています。

特にオカメインコやセキセイインコなどの飼鳥たちは年々飼養者が増加しており、空前のインコブームとなっています。
今ではセキセイインコと並ぶ人気を集めるオカメインコですが、初めて日本へやってきた際は地味な容姿が要因となって全く人気が無かったそうです。

そこで、今回はオカメインコがヒトに飼育されるようになった歴史と日本で人気が出た理由をご紹介したいと思います。

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オカメインコがヒトに飼育されるようになった歴史

オカメインコはオーストラリアの固有種であり、オーストラリアの原住民であるアボリジニーと共存し、自由に大空を飛びまわっていました。
しかし、15世紀になり大航海時代を迎えるとオーストラリアへヨーロッパの文化を伝えるため大勢のヨーロッパ人が訪れるようになります。

自らのルーツに思いを馳せるオカメインコ(・8・)

そのなかの1人“キャプテン・クック”というイギリス人が1781年にオーストラリアを訪れた際、オカメインコの存在を確認し、大英博物館へ報告したのです。そのとき、クックの部下 ジェーン・レーサム氏は、オカメインコのことを「冠羽を持つパラキート」と呼んだことからオカメインコの学名が「Psittacus novae-hollandiae(ニューオランダのオウム)」と命名されました。しかし、1792年にスコットランドのロバート氏によって「Psittacus hollandiae」と単純化され、1832年にドイツのヨワン・ワーグラー氏によってオカメインコの美しい容姿の特徴を表す「Nymph(山野や河川などを象徴する自然の妖精)」を学名に導入し、紆余曲折を経て現在の「Nymphcus hollandicus(ニューオランダの妖精)」となりました。

その後、英国の博物学アーティストとして有名なジョン・グールド氏は20代後半で作成したヒマラヤ山脈と欧州の鳥図鑑が好評だったため、1838年に固有種が豊富に存在するオーストラリアへ渡り、36歳のときに「オーストラリア鳥類図鑑」を完成させました。
そのなかに「Quarrion」や「Weero」という名でオカメインコが描かれており、そこから「Cockatoo parrot(オウムインコ)」と呼ばれるようになり、1840年にオーストラリアから数羽イギリスへ持ち帰り、それを機にイギリス国内で爆発的なオカメインコブームが始まります。
グールド夫妻はオカメインコの穏和で優しい性格を心から愛し、オカメインコを手に乗せたグールド氏の妻・エリザベスの肖像画が今も残っています。

1845年になると、欧州では愛玩動物としてオカメインコの繁殖が積極的に行われるようになり、ペットを扱う業者たちの間で「Cacatilho(小さなオウム)」と呼ばれるようになり、その後「Cockatiel」と呼ばれるようになり、現在に至ります。

1949年頃にオカメインコの色変わり“パイド”が報告されたのを機に、1958年にルチノー、1960年頃にシナモンが登場し、ファロー・シルバー・オリーブ・パールなど様々な品種が生まれ、色とりどりの羽色と個性豊かな模様を持つオカメインコは爆発的な人気となり、今では「羽色×模様×頭部の色彩」の組み合わせによってホワイトフェイスノーマルやノーマルパイド、ホワイトフェイスルチノーなどが誕生しています。

オカメインコと日本の歴史

オカメインコが日本へやってきたのは1910年の明治時代終わりのことです。
オカメインコとヒトの歴史は、とても古くて長いのですが、日本ではその地味な容姿が要因となって、同じオーストラリアの固有種であるセキセイインコと比べて人気が低かったと言います。
しかし、1960年頃から世界各地でオカメインコの色変わりが誕生したのをきっかけに、今まで地味だったオカメインコの人気が高まり、さらにインコブームが到来したことで、オカメインコの価格が高騰し、なんとセキセイインコの10倍の価格で取引が行われるようになったという記録が今でも残っています。

1990年代になると、インコブームも落ち着きを取り戻し、ペットとしてではなく、パートナーとして苦楽を共にできるコンパニオンアニマルに注目が集まり、オカメインコの穏和で優しい性格が注目を集め、今では東南アジアにあるオカメインコの繁殖場から大量に輸入される美しい羽色を持つルチノーなどが日本へやってきて、今では愛鳥家だけではなく、大勢の方々の心を癒しています。

今回はオカメインコが飼育されるようになった歴史をご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
オカメインコがヒトに飼養されるようになってから200年以上経ちますが、持ち前の愛鳥と穏和で優しい性格が錆び付いた私たちの心を潤し、癒しを与えてくれます。
しかし、こちらも彼らが与えてくれる愛情と同等もしくはそれ以上の愛をお返しする必要があります。オカメインコをコンパニオンバードとしてお迎えしたいという方は、彼らとヒトの歴史を理解することは、今後の付き合い方を模索するうえでとっても重要となりますので、しっかり理解しておきましょう。

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