コザクラインコは、アフリカ大陸南西部の大西洋岸にあるアンゴラ共和国からナミビア共和国にかけて生息しているラブバードであり、年間降水量が少ないため湿度が低く、気温は7℃~28℃と最低気温も低めなので、寒さには強いが湿気には弱いという一面があります。
また、現在日本で生活しているコザクラインコたちは日本生まれの個体が多いため、元々日本の環境に慣れており、低温で乾燥した日本の冬でも対策さえしっかりできていれば、健やかに乗り切ることができると言われています。
そこで、今回はコザクラインコが低温で乾燥している日本の冬を健やかに乗り切るための飼い方をご説明します。
コザクラインコと寒さ対策
コザクラインコは“寒さに強く湿気に弱い”とご説明させて頂きましたが、初めて越冬する若鳥の場合、寒さ対策はしっかり行う必要があります。
よくコザクラインコの寒さ対策としてエアコンで室内を温めて保温を行うという方もいらっしゃいますが、エアコンで室内を暖めると、室温とケージ内に温度差が生じてしまうため、寒さ対策になっていないことがあります。
ですが、ケージをエアコンの風が直接当たる場所に置くのは彼らの健康上、好ましくありません。
では、どのような寒さ対策を行えば良いのでしょうか。
コザクラインコやボタンインコなどのラブバードの寒さ対策を行う場合、鳥専用のヒーターを使用するのがオススメです。
最近では電球タイプやパネルヒータータイプなど様々な種類が販売されておりますので、保温器具をいくつか購入し、使い勝手の良いものを選んで使用するのが良いでしょう。
コザクラインコを保温するコツ
コザクラインコをはじめ、ボタンインコやセキセイインコ、オカメインコなどのコンパニオンバードは、くちから温かい空気を体の中に取り込んで保温しています。
そのため、ケージ内の空気を温めることがインコやオウムの寒さ対策となりますので、触れた部分のみが温かくなるパネルヒーターやサーモパーチなどは「保温」という意味では、あまり効果はありません。
コザクラインコの本格的な寒さ対策を行う場合は、ひよこ電球を用いるのがオススメです。
ひよこ電球は、光を極力出さずに熱のみを放出するよう作られておりますので、コザクラインコなどのコンパニオンバードの寒さ対策にぴったりの保温アイテムとなっています。
光を出さないように作られているので、暗くして眠らせたいときにもたいへん重宝します。
はだか電球よりも電球に直接触れないようにカバーが取り付けられている「ペットヒーター」を用いると、ケージ内に電球を入れることができるため、保温効果も高まります。
ペットヒーターに使用されている電球のワット数は20W~100Wまでありますが、直接ケージ内に入れるのであれば20W、ケージの外から温めたいという場合は60Wと40Wの電球を2つ組み合わせて設置するのがオススメです。
小動物用のパネルヒーターを使用したい場合は、パネルヒーターを立ててケージに設置することでケージ内を保温することができます。
パネルヒーターを用いるメリットは、薄型で低温なので、コザクラインコがヒーターの上に登って足の裏側を火傷するのを防ぐことができるところです。
コザクラインコやボタンインコなどのラブバードの寒さ対策を行う際は、ケージ内の空気を温めることが大切ですので、お迎えする前に鳥類専用の保温器具をケージなどと共に購入しておくことをオススメします。
コザクラインコの乾燥対策
野生のコザクラインコは半乾燥地域に生息しているため、「日本の冬の乾燥も耐えられるのではないか」とお考えの新米飼い主さんも多いのではありませんか。
確かにコザクラインコは、寒さに強くて湿気に弱い性質ですが、日本の冬の乾燥と彼らの故郷であるアフリカ大陸南西部の大西洋岸の乾燥とは大きく異なるため、乾燥対策もしっかり行う必要があります。
コザクラインコが快適に過ごせる湿度は40%~50%と言われておりますので、ケージの外に湿度計と温度計を設置し、湿度管理を行いながら保温を行うようにしましょう。
特に朝は湿度が20%を切っていることもありますので、加湿器の蒸気が直接コザクラインコに当たらないように注意しながら、室内を加湿しましょう。
もし、ご自宅に加湿器が無い場合は、お湯の入ったコップをケージ周辺に置いて加湿を行うのが良いでしょう。
ただし、この方法はお湯をこまめに入れ替える必要がありますので、あまり現実的ではありません。
あくまで加湿器を購入するまでのあいだの対策として用いるのが良いでしょう。
今回はコザクラインコが低温で乾燥している日本の冬を健やかに乗り切るための飼い方についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
日本の冬は低温で乾燥しているため、寒さに弱いボタンインコをお迎えした場合、万全の防寒対策が必要となりますが、コザクラインコはある程度の低温ならば耐えることができますので、保温対策を行わないという方も大勢いらっしゃると思います。
ですが、コザクラインコが耐えられる気温は7℃が最低ラインですので、7℃を下回る厳冬期は必ず保温を行うようにし、湿度が40%を切っている場合は加湿器を用いて湿度管理を行うように心掛けましょう。