インコオウムの糞でわかること|インコの健康管理

インコやオウムの健康管理を行う場合、専門家である鳥専門の獣医師さんに診てもらうのが1番だと思われている新米飼い主さんも大勢いらっしゃると思いますが、毎日動物病院へ連れて行くとなると彼らに負担がかかりますし、何より飼い主であるあなたが彼らの健康状態を把握していなければ、獣医師さんも何をどのように検査をしたら良いのか困ってしまいます。
インコやオウムを獣医師さんに診てもらう場合、具体的に何を知りたいのかを明確にするため、飼い主さん自身で彼らの触診や視診を行い、ある程度の健康状態を知ったうえで不調が見られる場合のみ獣医師さんに診てもらうのが賢明です。
そこで、今回はインコやオウムの健康管理で新米飼い主さんでも見てわかる症状、また排泄物から分かることを詳しくご説明します。

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飼い主さんでも行える視診方法

インコやオウムを初めてお迎えする新米飼い主さんは、体重や食事・飲水量の計測方法、おなかやおしりの触診方法に加え、外貌症状ならびに排泄物に関する視診方法に関する知識も身に付けておく必要があります。
【外貌症状に関する視診方法】
インコとオウムの外貌症状を調べる際、羽毛・嘴 (くちばし)・爪・顔・脚・首・翼・おなか・尾脂腺といった身体の各部位を入念に観察することが重要となります。
特に羽毛で隠れている部分は病変の発見が難しいため、常日頃から彼らの身体に触れる習慣を身に付けておきましょう。
では、外貌症状の視診方法についてご説明します。

羽の視診を行う際、羽軸の変形や血斑・色素沈着・脱色・羽質の低下などを調べてゆくのがポイントになります。

症状 原因
羽軸の変形や血斑 PBFD (オウム類の嘴・羽毛病)・BFD (セキセイインコのヒナ病)・栄養障害・打撲
などが原因で起こる症状。
色素沈着 肝不全・栄養不良・脂質代謝異常などが原因で起こる症状。
PBFDでも起こる場合があるため、注意が必要。
脱色 肝不全・栄養不良・PBFD・甲状腺機能低下などが原因で起こる症状。
羽質の低下 羽の発育期にストレス (肝不全・栄養不良・感染症など)が加わることで起こる症状。
障害が生じた時期に作られた羽は、羽質が低下し、ストレスマークとしてくっきり表れます。羽の構造が弱く、簡単に摩耗してしまうため羽先が煤けたように黒ずむ。

嘴と爪

嘴と爪の視診を行う際、それぞれの部位に過長や血斑などの症状が表れていないか確認してください。

症状 原因
過長 肝不全によるたんぱく質合成不良による場合が高い。
嘴の過長の主な原因は、不正咬合 (副鼻腔炎・PBFD・疥癬・事故など)
爪の過長の主な原因は、止まり木の不適合・藁巣の使用・疥癬など
血斑 肝不全による血液凝固因子の形成不全・ビタミンK不足・BFDなどによる出血傾向でみられる症状。
単発で表れている場合は打撲による内出血の可能性が高い。

顔に表れる外貌症状は、インコやオウムに詳しくない方であっても、すぐに異常を察知することができる部位になります。
顔には、目・眼瞼輪・ロウ膜・鼻孔・耳など様々な部位がありますので、それぞれの部位を入念にチェックしてゆきましょう。

症状 原因
ロウ膜褐色化 メスの場合、発情期を迎えた可能性がありますが、オスの場合は精巣腫瘍によって褐色化している可能性がある。
皮膚の軽石様変化 疥癬虫の寄生によって角化亢進で顔の表面がガサガサになり、嘴も変形する。
結膜発赤・鼻汁 結膜発赤の場合、結膜炎によって瞼が赤く腫れ、目の周りが涙でじんわりと濡れている。一方、鼻炎の場合、鼻汁で鼻の穴周囲の羽が汚れる。
耳漏 (じろう) 細菌性外耳炎ならば分泌液によって耳周辺が濡れている。
口角・口腔内のただれ カンジタやトリコモナスなど各種細菌やウイルス、中毒症状などによって表れる症状。
頭部のベタつき 頭部のベタつき
筆毛 頭部に表れるいくつもの針のような突起は新しく生えてきた羽なので異常ではない。
肝疾患 嘴の先が枯れ木のような質感となり、不自然に伸びている。
また、嘴の先が黒く変色していたり、嘴の異常な伸張もこの病の特徴。
白内障 人間同様、瞳が白くなる
上眼瞼腫瘍 眼瞼輪部分に腫物がみられる症状。

脚の視診を行う場合、インコやオウムの姿勢も同時に診るようにしてください。

症状 原因
結節・痂皮 (かひ) 白い結節の場合、痛風・膿 (アブセス)・羽包嚢腫などが考えられる。
黄色い痂皮の場合、皮膚真菌症 (黄癬)である可能性が高い。
糸絞扼 糸が絡まったことで絞扼している状態。すぐに糸を解いてあげる必要がある。
布や紐のおもちゃをケージ内に入れている場合は注意。
姿勢異常 脚の異常が考えられる。
起立不能 中枢性の神経異常・足の異常と代謝疾患などによって表れる症状。
羽を落としている 止まり木に止まっているのに羽を落としている場合、おなかが大きくて腰が曲がってしまい、羽が落ちている可能性がある。

首・翼・おなか・尾脂腺

頭部の視診と同時に行うのが理想です。
意外と忘れがちな翼・おなか・尾脂腺も合わせて視診するようにしましょう。

症状 原因
【首】首の腫瘍 文鳥などは胸腺腫ができやすい。
【翼】自咬 脇の部分にみられる症状。隠れているため発見が遅れやすい。
【翼】腫瘍 鳥類は翼端部によく腫瘍ができる。
【翼】羽毛ダニ 翼をはじめ、身体の様々な部位にダニが居る場合がある。
【おなか】腹部膨大 肥満・黄色腫・ヘルニア・卵塞・卵管腫瘍・卵蓄・嚢胞性卵巣疾患などが挙げられる。他にも各部位の腫瘍・肝肥大・腹水・便秘なども考えられる。
【尾脂腺】尾脂腺肥大 尾脂腺が腫れ上がる症状。
尾脂腺の腫瘍や膿瘍・角化亢進などが原因の可能性が高い。

このほかにも様々な外貌症状がありますので、スキンシップを取っているときにインコやオウムの身体を触って異常が無いか常日頃から調べるように心掛けましょう。

ただし、なかには身体を触られることを嫌がる子もいますので、そういった場合は無理に障ろうとはせず、彼らが触れることに抵抗を感じられなくなるまで、ゆっくり慣れさせてゆくようにしましょう。

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