インコやオウムなどの鳥類は、日の出と共に起床し、日没と共に就寝する動物です。
そのため、日の出時間が早い夏場は、飼い主さんよりも早く目覚め、元気な声で「オハヨウ!オハヨウ!」と呼びかけたり、可愛らしい声で盛んに鳴いてあなたを起こそうとします。
こんなキュートな目覚まし時計に起こされては、飼い主さんも起きないわけにはいきませんよね。
急いで彼らのもとへ行き、おはようの挨拶をして放鳥させようとする飼い主さんも多いと思いますが、放鳥する前にケージの中を観察し、彼らの健康状態を確認しましょう。
鳥類は身体の調子が悪くても元気なフリや食べたフリをするのがとても得意な動物です。
これは、体調が悪かったり弱っていると、群れから追い出されてしまうことを恐れ、歳月を重ねて身に付けた彼らの習性であり、人間の世界で暮らすようになってからも、その習性は変わることはありません。
そのため、朝の健康管理は毎日行うことが重要となります。
そこで、今回はインコとオウムの健康管理のひとつ「体重・食事量・飲水量」についてご説明します。
体重から読み取るインコやオウムの健康状態
インコやオウムなどの鳥類は、自身の病気や体調不良を隠すのがとても上手な動物ですが、体重だけはごまかすことができません。
鳥類はとても代謝が早い動物ですので、何かしらの病気を発症していたり、体調不良に陥っていると、すぐに体重に変化が表れる仕組みとなっています。
そのため、新米飼い主さんが見ぬくことができない彼らの食べたフリやいくら食べても痩せてしまう病気の早期発見が可能となりますので、嫌がっているのを無理やり行うのは避けたい、ストレスを与えたくないからという理由で体重測定を行わないのは言い訳ですので、彼らの健康を第一優先し、ここは心を鬼にして、毎朝体重測定を行うようにしましょう。
ただ、飼い主さんも都合というものがあると思いますので、1週間に最低1回は体重測定を行うようにし、体重が増減している、または、調子が悪そうに見える場合は、毎朝計測するようにしましょう。
インコやオウムは、個体によって体重の適性が異なるため、お迎えしたばかりのインコやオウムは1度健康診断を兼ねて鳥類専門の獣医師さんにその子に合った適正体重を調べてもらうようにしましょう。
食事量と飲水量から読み取るインコやオウムの健康状態
インコやオウムなどの鳥類は、食べたフリや飲んだフリが得意な動物ですので、毎朝餌や水が入っている容器を確認しても、いつも通り減っているから健康だと思い込んでしまう飼い主さんも大勢いらっしゃいます。
食事量と飲水量は、体重と同じくらい重要な健康チェック項目になりますので、餌や水が減っているから飲食しているとは思わず、細かい部分にまで目を配るようにしましょう。
食事量のチェック
元気なときの食事量を把握するため、毎朝何gの餌を入れたかメモを取りましょう。翌朝、餌の重さを計測してください。
殻付きシードを与えている場合は、餌箱に入っている殻を全て取り除き、周囲にシードがこぼれていた場合はキレイに集めてから計算します。
もし、副食やペレットを与えているならば、シードと同じく計測します。
飲水量のチェック
尿量から計測するのはとても難しいため、体重の10%から20%以内の水を飲んでいるかどうかを確認します。
計測方法は、朝、水入れ容器に水を注ぎ入れ、水入れ容器ごと計測します。
先ほど計測した水入れ容器と同じものを用意し、同量の水を入れ、1つはケージの内側、もう1つはケージの外側に設置します。
翌朝、ケージの内側と外側に設置した水入れ容器を計測し、1日の飲水量を計算します。
飲水量の計測を行う場合、野菜や果物、水遊び用の容器は設置しないようにしてください。
また、インコやオウムが飲み水で水浴びをしてしまったり、こぼしてしまった場合はノーカウントとなりますので、食事量を調べるよりもやや大変かもしれませんが、彼らの健康管理のため、諦めずに何度も挑戦してください。
飲水量の計算方法は、
A⇒水入れ容器(ケージ内設置)-翌朝水入れ (ケージ内設置)=1日の飲水量+1日の蒸発量
B⇒水入れ容器(ケージ外設置)-翌朝水入れ (ケージ外設置)=1日の蒸発量
A-B=1日の飲水量
[例]
A⇒50g-40g=10g
B⇒50g-45g=5g
A-B=5g
1日の飲水量は5gとなる。
なお、体重測定ならびに食事量・飲水量の計測に使用する道具は、0.1gから計測可能な料理用のキッチンスケールを使用するようにしましょう。
今回はインコ・オウムの健康管理、体重、食事量、飲水量などについてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
食事量と飲水量の計測は飼い主さんの忍耐力が重要となりますが、体重は気温・換羽・発情などによって微妙に変化が見られますし、同じ種類の鳥であっても個体によって骨格や筋力に違いがありますので、彼らの健康管理を行う際は、必ず1度は鳥類専門の動物病院へ行き、適正体重を獣医師さんに確認しておくことをお勧めします。