セキセイインコの冬の過ごし方と適切な保温方法
セキセイインコはオーストラリアの乾燥地帯に生息する小型の鳥類です。そのため、寒さに弱いと言われています。
特に寒さの厳しくなる12月から2月の間に適切な保温対策を取らないでそのまま放置してしまうと突然亡くなっていたというケースもあります。
始めてセキセイインコなどの飼鳥を飼養される方は、冬場の保温対策はしっかり行い、越冬するように心掛けましょう。
では、セキセイインコの適切な保温方法と冬の過ごし方についてご説明します。
セキセイインコの適切な保温方法のご紹介
セキセイインコは冬に弱いとよく言いますが、実は寒さに強い鳥類でもあります。そのため、動物園や学校の飼育小屋などでは屋外にセキセイインコ専用のバードルームが配置されているのを見かけたことはありませんか。
ですが、室内で大切に飼養されてきたセキセイインコたちは寒さに弱い体質を有しているため、一般的には「寒さに弱い動物」として扱われています。
特に生後1年未満から満2歳までのセキセイインコの若鳥は寒さに馴れていない個体も多くおりますので、しっかり防寒対策を取る必要があります。
セキセイインコの保温対策ですが、年齢によって適切な温度が異なります。
・生後1年未満のヒナの場合、28度から32度
・1歳から6歳の成鳥の場合、20度から28度
・7歳以上の老鳥の場合、28度から32度
・病鳥の場合、30度から32度
特にヒナと病鳥の温度管理はとても重要なので、温度を常に保つように心掛けてください。
また、目安としまして、セキセイインコたちが野生で生活している気温を再現するように心掛けると温度設定がしやすいかと思います。
※セキセイインコのメスを飼養している場合、発情させないようご注意ください。
セキセイインコの保温方法ですが、ヒーターやサーモスタットなどを使用し、ケージ内の空気を暖める方法が最も有効です。足元のみを温めるサーモパーチや酸欠を引き起こすホッカイロを使用して保温するのは大変危険です。これらの保温方法はちょっとした移動の際に用いるのが有効なので、冬の間ずっと使うのは避けましょう。
セキセイインコのケージ内の空気を暖める方法ですが、ケージ周辺をビニールシートで囲い、温めた空気を逃さないようにします。ですが、新鮮な空気を入れないと窒息死してしまうので、空気の通り道を作っておくことも忘れないでください。
セキセイインコたちのケージ内の温度を細かくチェックするために、温度計を取り付けたいとお考えの方もいらっしゃるかと思います。もし、温度計を取り付ける際は彼らのケージとほぼ同じ高さ、もしくは、やや低い位置に取り付けると良いでしょう。
保温例ですが、先ずセキセイインコのケージの周囲にコの字型の網目状の囲いを用意します。そして、100円ショップなので販売されているブックエンドにヒヨコ電球を取り付け、ケージの傍に配置し、ケージを挟んだ向かい側に温度計を取り付けます。もちろん、サーモスタットも忘れずに取り付けてください。
パネルヒーターを使用する場合は、ブックエンドにヒヨコ電球を取り付け、ケージの傍に配置し、ケージの反対側にパネルヒーターを配置しましょう。
セキセイインコの身体を健康に保つためには寒さの必要!?
セキセイインコを寒さで突然死させないためには、十分な寒さ対策を行う必要がありますが、ときには日本の寒さにも慣れてもらう必要があります。その理由は、温室育ちのままだと病弱になってしまう可能性があるからです。
「子どもは風の子」という諺がある通り、健康なセキセイインコの成鳥ならば、平均気温15度前後の環境で保温対策を行った方が良いと言われています。しかし、今まで20度以上の温かい室内から15度前後の寒い室内に移してしまうと大変危険ですので、飼鳥の体質や専門の医師と相談しながら、徐々にならしてゆくようにしましょう。
ここでセキセイインコの寒さ対策にいくつか注意があります。
まず、生後1年未満のセキセイインコや初めて越冬するという個体は保温対策をしっかり行う必要があります。そして、冬の夜間は特に冷え込むため、ケージに布をかぶせることを決して忘れてはいけません。
以前「セキセイインコを飼育する前の準備」にて、隙間風に関する注意をご紹介しました。インコたちは冷たい空気に弱い生き物です。そのため、たった1枚の布の有無によって彼ら生命が左右されるのです。就寝前に必ず1枚の布をケージに被せ、セキセイインコを凍死させないよう配慮しましょう。
冬場のセキセイインコの飼養ですが、保温以外にもトルーライトなどを活用して冬場の短い日照時間を補い、乾燥した空気を潤わせるため加湿器を用意し、常に50%から60%の間の湿度を保つようにしましょう。