現在では入手困難となっているコバタンの貴重な情報をご紹介します。
〇分類:オウム科オウム属
〇体長:33cm前後
〇体重:300~340g前後(体格により適正体重は増減します)
〇価格:―― ※ワシントン条約附属書Ⅰ類及び種の保存法によって保護されています。
〇寿命:40年以上
野生での生活
コバタンはオウム科オウム属に属している鳥類の中で最西端に生息しています。
インドネシアのスラウェシ島及びその近辺の島々などに生息する固有種です。現在ロンボク島ではコバタンの姿が長らく確認されておらず、絶滅したと言われています。
コバタンは標高800m以下の熱帯の高温多雨の地にある森林周辺や農耕地などに生息しており、10羽以下の小規模な群れを成して生活しています。主にフルーツが実る樹木に複数のコバタンが集まることが多いようです。
しかし、コバタンは基本雑食ですので、フルーツ以外にも植物の種子や液果、花などを摂取しています。ですが、食事のときでも地表に降りず、必ず樹上にて食事を行うため、野生のコバタンを一目見たい方は出来る限り上を向いて歩くことをオススメします。
コバタンは数回素早く両翼を羽ばたかせた後に滑空し、再度素早く羽ばたくといった飛翔を行います。
コバタンの性格と特徴
コバタンの体長は33cm前後ですが、オスよりもメスの方が若干大きくなっています。尾羽は短く、全身がキバタンのように純白の羽毛で覆われています。
キバタンとの区別は、翼と尾羽、腹面の羽毛が淡い黄色をしているので、よく観察すると見分けることが出来ます。
雌雄の区別ですが、キバタン同様、オスの虹彩はブラックになっており、メスは赤褐色をしているので、素人の方でも見分けることが可能です。
コバタンの魅力は、オウム科の中でも比較的小型種であり、オスは交際上手で芸達者な性格をしています。しかし、発情期になると攻撃性が増し、破壊力抜群の嘴で攻撃を仕掛けてきます。そのため、オスよりも大人しいメスの方が飼養しやすいと言われています。
コバタンは、現地の方々からココナッツやトウモロコシなどを荒らす害鳥として忌み嫌われています。1940年頃までは各地でコバタンの姿を確認することが出来ていたのですが、愛玩鳥として乱獲もしくは害鳥として駆除されたり、土地開発によって住処を奪われたことによって、個体数が激減しています。そのため、2004年にコバタンは4亜種と共にワシントン条約附属書Ⅱ類からⅠ類へと移行され、日本国内でも「種の保存法」にその名が記載されています。
厳しい法律で守られたコバタンですが、2004年以前から国内で飼養されている個体であれば、取引及び売買が可能となっています。その際は、環境省令に基づく登録票の有無を確認してから行うようにすることが大切です。
コバタンの飼養をご検討の方は、キバタン同様、十分な知識を身に着け、最期まで責任感と愛情を持って飼養することを念頭に入れ、譲って頂ける方と交渉するようにしましょう。