いま日本国内では、空前のコンパニオンバードブームとなっており、世界中のインコやオウムたちと触れ合えるインコカフェやインコをテーマにしたスイーツやグッズなどが続々と展開されています。
なかでも人懐っこくておしゃべり能力の高いセキセイインコ、優美な外見と穏和な性格のオカメインコ、5歳児並みのずば抜けた知能を持つ“おしゃべりの天才”ヨウムの3羽は、老若男女問わず多くの方々から愛されているコンパニオンバードとなっています。
ですが、ここ数年、セキセイインコやオカメインコなどの人気のコンパニオンバードに並ぶ勢いで、じわじわと注目を集めているインコがいます。
そのインコは、色彩豊かな美しい羽を持ち、1度パートナーを見つけると一生涯寄り添い生きてゆく夫婦愛に溢れるアフリカ大陸原産の「ラブバード」です。
「ラブバードって名前は聞いたことあるけど、セキセイインコやオカメインコとどう違うの?」と思われる方も大勢いらっしゃると思います。
そこで、今回はラブバードとはどのような特徴を持つコンパニオンバードなのか、そしてどのような種類のインコが属しているのかをご紹介します。
ラブバードとは?どのような種類が属するのか
ラブバードとは、Agapornis属に属する鳥類の総称です。
Agepornisとは、ギリシア語で「愛」を意味する「Agepe」と「鳥」を意味する「Ornis」を組み合わせた言葉であり、その名のとおり雌雄の仲がたいへん良く、1度相手を見初めると命が尽きるその瞬間まで片時もパートナーの傍を離れずに幸せに暮らすため、海外では“幸福な夫婦の象徴”と言われています。
“愛の鳥”と呼ばれるラブバードですが、どのような種類のコンパニオンバードが属しているのか気になりますよね。
ラブバードとは、オウム目インコ科ボタンインコ属に属している鳥類のことを指しており、現在確認されているラブバードの種類は、
- コザクラインコ
- キエリクロボタンインコ
- ルリコシボタンインコ
- Nyasa Lovebird (アカボタンインコ)
- クロボタンインコ
- ヤエザクラインコ
- カルカヤインコ
- ハツハナインコ
- コハナインコ
- ワカクサインコ
となっています。
一部のラブバードを除き、その多くがアフリカ大陸本土に生息しており、野生下ではそれぞれの種類が地理的に隔てられた環境で生活していますので、食べ物や飲み水を取り合ったりすることはありません。
ただ、ボタンインコ属に属するラブバードたちはそれぞれ独立した鳥類ではありますが、近縁種でもありますので混血が可能となっています。
ボタンインコの混血種で有名なのが、コザクラインコとボタンインコを親に持つ「ヤエザクラインコ」です。
ヤエザクラインコのような混血種は、別名「ハイブリットインコ」と呼ばれており、自然界には存在しません。
厳しい自然環境で生活しているラブバードたちは、それぞれの種類が異なる地域で生息することで混血種が誕生するのを防ぐとともに、不測の事態が起こった際に絶滅せぬよう、少しずつ種が異なるのです。
ヤエザクラインコのようなハイブリットインコは、繁殖家たちがラブバードの色変わりを作出する目的で誕生した種類なのですが、ヤエザクラインコに生殖能力が無いことから、現在ではラブバードの作出は盛んに行われておりません。
また、日本ではボタンインコの種類がいくつにも分かれていることがあまり知られていなかったため、現在でもキエリクロボタンインコとルリコシボタンインコのハイブリットインコがたくさんいます。
今回はラブバードとはどのような特徴を持つコンパニオンバードなのか、そしてどのような種類のインコが属しているのかをご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
日本で飼育されているラブバードの多くがコザクラインコとボタンインコの2種類であり、この2種は雌雄共に同じ外見をしているため、専門家でも見分けるのが困難となっています。
もし、コザクラインコやボタンインコをお迎えする予定の方は、優秀な獣医師にDNA検査を行ってもらうことをオススメします。