カナリアの性格や寿命と価格|カナリアの飼い方

カナリアは美しいさえずりで古くから人気のあるフィンチの仲間です。生態や性格などについてご紹介します。

分類:スズメ目アトリ科
体長:品種にもよるが、11cmから20cmほど
体重:15~38g前後(体格により適正体重は増減します)
価格:ペアで販売されていることが多く、黄巻毛カナリアペア35,000円ほど、ゴールドフロストカナリアペア28,000円ほど、無フクレモン(個体)13,000円ほど。
※価格は品種などによって異なります。
寿命:10年ほど

野生での生活

野生のカナリアは、大西洋北部ポルトガル西方に在る9つの主要島から成るアゾレス諸島や大西洋上、アフリカ大陸北西岸寄りのスペイン領であるカナリア諸島及びイベリア半島の南西方1000キロメートル余りの地点に点在するマデイラ諸島に生息していますが、名前の通り、カナリアはカナリア諸島が原産国となっています。

現在カナリアには野生種の他に、現在私たちが飼っている飼養種と呼ばれる種や鳥籠から逃げ出してしまった飼養種がバミューダ諸島やアメリカ・ハワイ州のミッドウェイ環礁、カリブ海北東部に在る島プエルトリコなどで再野生化を果たした種が存在します。

野生種は翼長がおよそ20cmから23cmほどで体長は12cmから13cmほど、体重は15gから20gほどで、飼養種や再野生化した種もほぼ同じくらいのサイズとなっています。ですが、中にはとても大きな種やこじんまりとした可愛らしい種も存在するため、カナリアの平均サイズというのがはっきりと判明しておりません。

飼養種には、ローラーカナリアやグロスター・コロナ、アゲイト・レッド・モザイクなど様々な品種が誕生しており、非常にバラエティに富んだ羽色を持っている鳥類です。
飼養種の中でも特に人気のあるカナリアは、カナリア色と呼ばれる青みを帯びた黄色の羽毛に包まれた個体です。カナリアといえば、カナリアイエローと言われるほど、飼養種を代表するカラーとして認知されています。

一方の野生種は、腹面が古ぼけて煤けてしまったようなイエローグリーンをしており、背面にはブラウンに近い色彩で縞模様が入った地味な小鳥です。ですが、野生種の中にも飼養種のようなリザードと呼ばれる品種も存在します。

野生のカナリアは海抜1,700m付近の雑木林または果樹園など二次林と呼ばれる原生植生が破壊された後に誕生した森林に生息しており、木や藪に巣を掛けます。
カナリアは飼養種や再野生化によって個体数は増加傾向にありますが、カナリアは元々離島の固有種ですので、野生種のみの個体数は決して多くありません。

カナリアには、ヨーロッパ地方から北アフリカにかけて分布しているセリンやアフリカ大陸のサハラ砂漠より南の地域に分布しているキマユカナリアと血のつながりが近いことが明らかにされました。特にキマユカナリアは日本国内でカナリアの原種として販売されていることもあり、名前にカナリアとありますが、全く異なる種の鳥ですので、購入の際はお気を付け下さい。

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カナリアの性格と特徴

カナリアは15世紀頃からその透き通るような美しい囀りで多くの人々の心を虜にしてきました。飼養当時は地味な羽毛に包まれていたカナリアでしたが、改良を重ね、現在では色鳥・羽鳥・形鳥・姿勢鳥・鳴鳥と複数のグループに分けられ、カナリア愛好家たちに愛されています。
では、大まかなカナリアの品種をご紹介したいと思います。

カナリアの種類一覧

・ レモン金糸雀:定番のカナリアです。レモンカナリアはとても美しい声で囀るため、癒されたいという方にオススメされます。

・ 白金糸雀:色変わり種です。近世で初めに誕生した種であり、日本で国内でも江戸時代の頃にこの種が誕生したという記録が残っています。
・ 赤金糸雀:オレンジローラーカナリアとショウジョウヒワを交配させて誕生した種です。淡い紅色の羽毛は赤色の遺伝子によって表現されており、人参などカロテンをたっぷり含んだ餌を与えると赤みが増してゆきますが、カロテンを与えないと色味が薄くなってきます。

・ リザード:現在存在するカナリアの中で最も古いと言われる種です。容姿が野生種に酷似しており、身体が鱗状の斑模様の羽毛で包まれていることからリザードという名が付けられました。また、羽毛は絹のような美しい光沢が見られます。

・ ノーウィッチ:英国のノリッチで誕生した種です。ずんぐりとした愛らしい体型をしており、頭部が大きくて平たいのが特徴です。ノーウィッチは体長が16.5cm以内と決まっており、イエローやオレンジの羽毛を持つ個体がたいへん人気があります。

・ ヨークシャー:英国のヨークシャーで誕生した種です。開発された当時は指で作った輪をくぐり抜けられるほど小さなカナリアだったのですが、現在は大型のカナリアとして注目を集めています。とても美しい姿勢のカナリアで、止まり木に対して45度の角度(カタカナの「イ」)で止まる個体が良いと言われています。

・ 巻き毛カナリア:ダッチファンシー種から突然変異で誕生した種です。日本国内で固定したため「Japanese fancy」と呼ばれています。

・ 細カナリア:スコッチファンシー種から固定された種です。巻き毛カナリア同様、日本で固定されたため、「Japanese Scotch fancy」と言います。全身が他のカナリアと比べて極端に細いため、まるで三日月のようにみえることからこの名が付きました。

・ ローラーカナリア:レモンカナリア同様、美声で鳴く種です。体色は野生種に近く、やや地味なカナリアですが、中には黄色や白といったカラフルな種も存在します。声を愉しむことを目的としているため、容姿は重要視されません。ローラーカナリアは、若いオスに美しく透き通るような美声を持つ年老いたオスの声を聞かせたり、美しい音色を奏でる笛を用いて仕込む「付け仔」という飼養方法で買うのがこの種の特徴です。

・ ボーダーファンシー:英国で「カナリアらしさ」というのをコンセプトに掲げて改良された種です。

・ ファイフファンシー:ボーダーファンシーの改良種です。ファイフとは、横笛という意味があり、ボーダーファンシーよりも小型のカナリアとなっています。

カナリアは毒物にとても敏感な鳥であることが明らかとなり、毒ガス検知や実験動物として用いられることが多くなりました。特に炭鉱では、メタンや一酸化炭素といったヒトや動物にとって有毒なガスの発生率が高いため、カナリアはたいへん重宝されていす。

なぜカナリアが毒ガスの検知として用いられるかと言いますと、カナリアは常に囀りを行っているため、異常が発生するとピタリと囀りが止まります。そのため、ヒトはカナリアの囀りと様子を見て異常事態を判断することが出来るのです。
日本国内でも1995年に発生した地下鉄サリン事件を受け、山梨県の上九一色村のオウム真理教施設に強制捜査を行う際、捜査官たちはカナリアを連れて行ったことが報じられたのは皆さんもご存知かと思います。

カナリアを同じスズメ目の文鳥同様、手乗りにしたいという方は、ヒナのうちから飼養する必要があります。しかし、カナリアのヒナは入手困難なうえ、飼養には手間暇がかかります。しかし、愛情を持って根気よく接することである程度成長してしまったカナリアも主の顔を覚え、近寄ってきてくれます。

カナリアは、油分の多い専用の餌を与えるのですが、油分が多く含まれている分、便が柔らかく、鳥籠がすぐに汚れてしまいます。そのままにしてしまうと、病気になる可能性があるので、こまめに掃除する必要があります。特に美しい姿勢鳥に分類されるカナリアは足に便が付着してしまい、趾の指が取れてしまう可能性があります。
カナリアは足輪が無いと無価値となります。必ず、足輪の付いたカナリアを購入するようにしましょう。

カナリアの飼養はフィンチ類の中では比較的飼養しやすい分類に属しておりますが、やはり十分な知識と覚悟が無ければ買うことは難しいでしょう。カナリアはコンパニオンバードとしての適性はあまり高くありません。ですが、その美しい囀りでヒトの心を癒してくれるため、カナリア愛好家の方々も大勢いらっしゃいます。

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