皆さんは年間どれほどの動物たちが殺処分されているかご存知ですか。
里親募集情報サイト『ペットのおうち』
日本では、平成20年度に自宅で動物を飼っている方がどれだけいるのかを調査した結果、およそ2500万頭が飼育されていることが明らかとなりました。そのうち、およそ32万頭の動物たちが保健所や動物愛護センターなどに保護されているそうです。しかし、送られてきたペットたちが無事に飼い主のもとへ帰ったり、譲渡会によって良い方へ引き取られた動物はおよそ4万頭しかおらず、残りの28万頭の動物たちは殺処分されてしまいます。
この数字は1日に800頭前後の動物が殺処分されていることを表しており、生命を軽んじる日本人が多く存在することを表しています。
では、なぜ日本人はペットを捨ててしまうのでしょうか。
日本人がペットを保健所に連れて行く理由には以下のようなものがあります。
・飼い主が病気または死去によって世話をする者がいなくなった。
・飼い主が高齢者で面倒を見ることが出来なくなった。
・仕事や育児が忙しくなり飼育することが出来なくなった。
・アレルギーを発症した。
・突然ペットが狂暴化し、手に負えなくなった。
・思ったよりも大きくなった。
・別の犬種・個体が欲しくなった。
・トイレを覚えられなかったり、吠え癖が治らない。
・ペットが病気になって飼養が困難になった。
・ペットの去勢を行うのを忘れて繁殖してしまった。
・ペットが年老い、介護が必要になった。
・掃除や散歩など考えていた以上に世話が大変だった。
また信じられないことに
・死ぬのを見るのが辛いから
という理由で、余命いくばくもない年老いたペットを保健所に連れてくる方もいるそうです。
他にも様々な理由があるとは思いますが、ほとんどの場合、飼い主側の身勝手な都合で捨てられているのが現状です。
ですが、一身上の都合からどうしても飼養出来なくなった場合は里親探しサイト「ペットのおうち」を活用することをオススメします。
命を救うためのプロジェクト
ペットのおうちとは、人間の都合によって飼育出来なくなったペット、また保健所にいる動物の保護活動を行っている方々が、これからペットを飼う予定もしくは里親として育てたいという方を結ぶための交流及び里親探しを目的としたサイトです。
ペットのおうちは、1匹でも多くの動物たちを殺処分から救うために2011年7月にWEBプロデュース会社の株式会社Easy Communicationsが放課後プロジェクトとして運営を開始したサイトです。
現在の利用者数は150万人以上おり、参加メンバーが24万名ほど、累計募集情報件数7万ほど、累計里親決定数は4万ほどとなっています。
ペットのおうちでは、犬や猫をはじめ、インコやオウムといった鳥類や熱帯魚などの魚類など、様々な種類の動物の里親を探しています。サイトではなぜ里親探しをしているのか、手放すペットの性格や特徴、病歴、引き渡し方法などを詳細に記述しており、複数回やり取りを交わした後に譲渡するという方法を取っています。
また、一般会員による里親探しの場合、ワクチン代などの費用請求を行うことを原則禁止しており、譲渡の際は里親を探している方が身分証明書のコピー及び誓約書を里親先に渡すことを義務付けています。
しかし、こうした運営側の努力も虚しく、ペットのおうち内では悪質な方々のペット譲渡が横行しているのも事実です。
「ペットのおうち」から見えてくるモラルの低下
ワクチンや検査などを行っていないにも関わらず、諸費用を請求してくる方や譲渡前と譲渡後では態度が急変し、誓約書に書かれた規約を無視して音信不通になる方などもいらっしゃいます。実際に被害に遭われた方も多く、ただの厄介払いがしたかっただけなのではないかとお怒りの声も聞かれます。
また、譲渡先によるペット虐待なども示唆されており、里親探しは正しいと言えないのではないかとまで言われています。
里親探しサイト「ペットのおうち」が悪いわけではありませんし、こうした里親募集の活動が間違っているとも思えません。こういった問題は、譲渡側と譲渡される側、双方のモラルの低下から引き起こされます。「ペットのおうち」は決して“動物を無料で手に入れられる場”ではありませんし“だれかに命の責任を押し付けられる場”でもありません。多くの命を助けるために起ち上げられたプロジェクトです。利用される方はその意思を汲み、自分に不利益なことがあろうと責任とモラルを持って譲渡契約を結ぶようにしましょう。
不幸な命を減らすために
現在世界各国で動物たちの殺処分を減少させる取り組みが行われており、特にドイツは殺処分の無い国として、世界各国から注目を集めています。
今後不幸なペットを世に出さないためにも、これからペットを飼おうと思っている方は一度じっくり、自分のこれからの人生について考えてみましょう。
生き物を飼育するということは、多くの時間とお金を費やすことになります。旅行も好きなように行けなくなりますし、仕事で疲れて帰ってきてもトイレやエサなどのお世話をする必要があります。病院での治療費が数十万円かかることもあるでしょう。
そうした生活を十年、数十年、続けることができますか?年老いた動物は付きっきりの介護だって必要になります。
様々なデメリットを踏まえたうえで動物を飼育することが可能ならば、ペットショップでの購入ではなく、里親として引き取る、中でも殺処分が間近にせまる子をお迎えできれば、尊い命を一つ救済することができます。
またもし覚悟を持って飼育を開始したとしても、どうしてもやむを得ない状況に陥ってしまうことがあります。そうなった場合は簡単に諦めて保健所に連れて行くのではなく「ペットのおうち」などの機関を利用して里親を探しましょう。そういった場合にも、身勝手な態度や理由で他人に押し付けるのではなく、最後まで飼い主である貴方の手で信頼できる方を見極め譲渡契約を結ぶことが、あなたを愛してくれた動物にできる 最後の恩返しです。
里親募集情報サイト『ペットのおうち』